- ニュースで育児休業が変わると聞いたけど具体的に何が変わるかいまいちわからない
- 育児・介護休業法が変わることでどんなメリットがあるかわからない
2021年6月に育児・介護休業法が改正され、男性の育児休業についてニュースが増えていますよね。世間の関心も高まってきていると感じます。
ただし、改正の内容は断片的にしか知らず、どんな変更があってどんなメリットがあるのかわからないと感じている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、実際に夫婦で育児休業を取得中(妻:1年、夫:3ヵ月)の私たちが育児・介護休業法の改正内容について解説します。
厚生労働省のサイトを読み解き、重要なところだけを抜き出して、私たちの育児休業取得時の体験談も踏まえて紹介します。何か一つでも参考になれば嬉しいです。
2019年4月に結婚し、24時間365日ケンカなしで、仲良く過ごしている20代共働き夫婦です。首都圏在住。夫は文系システムエンジニア、妻はメーカー総合職でフルタイムで働いています。2021年3月に息子が産まれ、夫婦で育児休業を取得しました。
育児・介護休業法とは?
育児・介護休業法は、一言でいうと、「働く人が仕事をやめることなく、希望に沿って仕事と育児などを両立できるようにする法律」です。
1995年6月に成立し、2021年6月に改正され、柔軟な育児休業の仕組みや、事業主に雇用環境の整備などを義務付けました。
厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、19年度時点の男性の育休取得率は7.48%にとどまり、男女の家庭参画への格差は大きいです。
今回の改正法では、育児休業取得率が低い男性の育児休業の取得率向上につながると話題になっています。
育児介護休業法の改正案で変更になる5つのポイント
【ポイント①】育児休業制度の周知、育休取得の意向確認が義務化される
企業は、本人または配偶者が妊娠、出産したと申し出をしたときに、本人に対し新制度及び現行の育児休業制度等を周知するとともに、これらの制度の取得意向の確認が義務化します。
取得意向の確認については、育児休業の取得を控えさせるような形での周知や意向確認は認められません。
今までは自分から育児休業を取得したいと言い出しづらく取得をあきらめた人も多いと思います。僕も上司に相談するときは非常に緊張したし、言いづらかったのを覚えています。意向確認が義務化されれば、今まで取ろうと思ってもみなかった人も取得を考えるきっかけになるのでいいと思います。
【ポイント②】産後8週間を対象とした「出生時育休」を新設
※1 職場環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられる内容を上回る取り組みの実施を 労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることができます。
※2 具体的な手続きの流れは以下①~③のとおりです。 ①労働者が就業してもよい場合は事業主にその条件を申出 ②事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示 ③労働者が同意した範囲で就業引用:育児・介護休業法 改正ポイントのご案内https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf
制度の改正により、対象期間や申出期間の基準が緩和され、より柔軟に育児休業が取得できるようになります。
「出生時育休」と呼ばれ産後の8週間が対象となり、4週間以内を2回に分割して取得できます。
産後8週間の「出生時育休」期間内に2回の育休を取得しても、さらに産後8週以降で再び2回の育休取得が可能になります。よって最大4回まで育休を分割して取得することができるようになります。
▼下記の図がわかりやすいです
引用:男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000727936.pdf#page=24
最大4回の分割取得が可能になるので、新生児期間に1ヵ月育児休業を取得、約1年後、パートナーが職場復帰するタイミングでもう1か月取得など、今までよりもっと柔軟な取得が可能になるのはいいですね。
【ポイント③】企業と労働者で合意すれば休業中の就労が可能に
生後8週間であれば、育児休業中の就業も会社と事前に勤務日を決めるなどの手続きをして就業することも可能になります。その人でしかできない仕事や打ち合わせがあるせいで取得できなかった人も柔軟に取得することができるようになります。
個人的には育児に集中してほしいので仕事は引き継いで休業してほしいと思いますが、「育休中でも在宅である程度仕事ができる」という理由で取得する人が増えることを想定しているのかもしれないですね。
【ポイント④】大企業は育児休業取得率の公表が義務化される
従業員1000人超の企業を対象に、育児休業の取得の状況について公表を義務化します。
今後は就活や転職活動の際に、企業は育児休業の取得状況も厳しくチェックされるようになるでしょうね。
取得状況の調査は、「取得年齢、取得期間、何回目の取得か」などの情報も詳しくわかるように公表してほしいと切に願います。取得率100%だけどみんな1日しか取ってない、じゃ笑ってしまいます
【ポイント⑤】育児・介護休業取得要件が緩和される
育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件が廃止されます。
つまり、今までは転職して1年以内や新卒1年以内で取得できなかった人が取得できるようになります。
育児・介護休業法の改正はいつから適用される?
上記のポイントとなる改正案の適用は時期がずれているので注意が必要です。
令和4年4月1日
【ポイント①】育児休業制度の周知、育休取得の意向確認が義務化される
【ポイント⑤】育児・介護休業取得要件の緩和
令和5年4月1日
【ポイント④】大企業は育児休業取得率の公表が義務化される
公布日から1年6か月を超えない範囲内で政令で定める日(公布日:令和3年6月9日)
【ポイント②】産後8週間を対象とした「出生時育休」を新設
【ポイント③】企業と労働者で合意すれば休業中の就労が可能
これから育児休業を取得しようと考えている人は、下記の厚生労働省のサイトで最新情報を確認してくださいね
まとめ
本記事では育児・介護休業法改正について改正内容を紹介しました。
ジェンダー問わず、育児ができるよう制度が整っていくことはいいことですね。
今後も育児休業のニュースは積極的に紹介していこうと思います。
▼男性の育児休業取得を考えている方やそのパートナーにぜひ読んでもらいたい一冊
夫婦の育児休業体験談は音声配信でも配信していますのでよろしければそちらもお聴きください。お好きな配信アプリで無料で聞けるのでお気軽にどうぞ。
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